教育現場に求められるコーチング的関わり
コーチングとは?
簡単に言うと、相手の中にあるリソース(資源・能力)を引き出すお手伝いをすることです。
答えは相手の中にあるという前提のもと、いろいろな切り口で相手の能力を引き出していきます。
これまでの学校教育の常識では、ティーチング(教え込み)が基本でした。

昭和世代の方なら通ってきたかと思いますが、ひたすら先生が話しまくって、黒板に書いて、生徒はそれをひたすらノートに写す。
ノートチェックのときにちゃんと写せていなかったら減点みたいなのもありました。
かつては、教授型の授業が主流でしたし、そういうもんだと誰も疑わなかった時代でした。
そして、知識偏重の流れに学生も乗っかってというか乗せられて、入試戦争の荒波に放りこまれていきました。
時代は大きく変わり、グローバル化に向けて学校教育も大きく舵をきり始めました。

これまでの詰め込み教育の弊害として、テストの学力は高いが、実際に社会に出てみると全く使えない人材の大量排出という問題にぶち当たりました。
その反動で、いわゆる【ゆとり】が取り入れられたわけですが、過剰な学習時間のカットが学力の低下につながり、新たな問題を生み出したとされています。本当かどうか分かりませんが。
ゆとり世代って学力も体力も低いって風潮があるけど、個人的には能力が高い方も多いと感じてます。
世界で活躍しているアスリートや教育現場で活躍されている先生も、この世代でたくさんいます。
そうした経緯で、またまた学力を上げねばならんと、教育改革が行われ始めました。
10年周期の教育改革
この国の教育の流れとして、10年周期で大きな教育改革というか、改悪?を行い、その失敗を受けて、180度違う方針を取り入れるってことをずっとずっと続けているように思います。あくまで主観ですが。
そんな流れで、現在、教育現場に求められているのは、国際社会に出て活躍できる人材の育成。
自ら考えて主体的に行動できる能力を身に付けさせることが課題としてあります。
ここ数年で、ティーチングは極力減らして、子どもが主体的に学びに取り組めるような学習環境を作るアクティブラーニングを取り入れていこうという動きが活発になっています。
今後、またどう変更されるかわかりませんが・・・
主体的に学び、生きる力を身に付けさせろって言うけれど・・・
現場の先生は真面目で勤勉な方が多いので、このような無理くりな方向転換にもなんとか対応しようと努力されています。
時代の流れに伴って、主体的に考え、答えのないところから納得解を導き出す能力を育むことが求められていますが、一朝一夕にはいきません。
普段の生活の中から、自分で考え、選択していく習慣を身につけることが必要です。
そこで必要になるのが、コーチング的関わりです。
シンプルコーチング的関わり
子どもの行動に対して、教師の価値観を介入させて改めさせるのではなく、より良くするためにはどうすればいいかを、質問によって考えてもらい行動に移させる。
失敗した場面では、なんでそんなことをしたの?と問い詰めるのではなく、どうすればうまくいくかな?と、未来志向で関わることで、言い訳ではなく、自らの問題として解決策を考え出す癖が身につく。
このような関わりを普段から行うことで、主体的に物事をとらえて、自分で答えを導き出す能力が身についていく。
とはいえ、知識・能力がない部分では引き出すことは難しいので、状況をみて必要なことはこれまで通りティーチングを行います。

ですが、先生によっては、こんなまどろっこしいことやってられないと仰る方もいるかと思います。
考えを引き出すのに、時間と手間もかかります。
大部分を教師主導で進めていけば、早いですし、問題が起きるリスクも減ります。
教育現場に広めていくにはまだまだ時間がかかりそうですが、良い実践報告を集めてコーチング的関わりを浸透させていきたいと考えています。